【千葉県版】産業廃棄物収集運搬業許可の申請完全ガイド|予約のコツ・審査期間・窓口の注意点を行政書士が解説

【千葉県版】産業廃棄物収集運搬業許可の申請完全ガイド

千葉県で建設業や業を営む事業者様にとって、「産業廃棄物収集運搬業許可」の取得は、事業拡大やコンプライアンス遵守のために避けては通れない道です。

しかし、いざ手引き(マニュアル)を読んでみると、「千葉県と千葉市は別なの?」「予約はどこにするの?」といった疑問が次々と湧いてくるのではないでしょうか。

実は、千葉県の申請ルールは他県と少し異なる独特な部分があります。特に「スケジュールの考え方」や「窓口の場所」を間違えると、期日までに許可が間に合わないという事態になりかねません。

この記事では、千葉県で行政書士事務所を運営し、数多くの許可申請を行ってきた私が、手引きには書かれていない「現場のリアルな情報」を包み隠さず解説します。

これから千葉県で許可を取りたいと考えている方は、ぜひ最後まで目を通してください。申請の失敗を防ぎ、最短で許可証を手にするためのロードマップをお渡しします。


1. まずは確認!千葉県知事許可の「効力」と「管轄」

申請の準備に入る前に、一番多い勘違いである「管轄(かんかつ)」について整理しておきましょう。

「千葉県知事許可」を取れば、千葉県内どこでも自由に廃棄物を運べると思っていませんか?基本的にはその通りなのですが、一部例外があります。

千葉県知事許可でできること

千葉県知事の許可を取得すれば、千葉県全域(千葉市・船橋市・柏市を含む)で、「産業廃棄物の収集」および「運搬」を行うことができます。

つまり、千葉県内の「現場でゴミを積んで、処分場へ運ぶ」だけであれば、千葉県知事許可が一つあれば十分です。わざわざ市ごとの許可を取る必要はありません。

千葉市・船橋市・柏市の許可が必要なケース

ただし、以下のケースでは、県とは別に、それぞれの市の許可が必要になります。

  • 積替え保管を行う場合: 千葉市、船橋市、柏市の区域内で、廃棄物を一時的に保管(積替え)する場合。
  • 区域内限定で営業する場合: 「千葉市内だけでゴミを積み、千葉市内の処分場へ運ぶ(市を一歩も出ない)」という極めて限定的な場合。

ほとんどの事業者様は「積替え保管なし」で、県をまたいで運搬することが多いと思いますので、まずは「千葉県知事許可」の取得を目指すことになります。


2. 【要注意】申請窓口は「県庁」ではありません!

ここからが本題です。千葉県で申請をする際、多くの人が間違えてしまうのが「申請窓口の場所」です。

「県の許可なんだから、千葉県庁に行けばいいんでしょ?」

そう思って、書類を持って直接県庁(環境生活部)に行っても、受け付けてもらえません。門前払いされてしまいます。

正しい提出先は「協会」です

千葉県の場合、書類の受付や形式チェック(一次審査)の業務を、外部機関に委託しています。

審査の最終決定権(許可を出すかどうか)は千葉県庁にありますが、入り口はあくまで「協会」です。 持参する場合も、郵送で申請する場合も、宛先はこの「千葉県産業資源循環協会」になりますので、絶対に間違えないようにしてください。


3. 予約は電話のみ!「1ヶ月待ち」のリアルな現状

千葉県の申請は、飛び込みでは一切受け付けてくれません。完全予約制です。 そして、この予約を取るのが、時期によってはだいぶ先になります。

予約の方法とポイント

■ 現場からのアドバイス 電話自体は比較的繋がりやすいですが、12:00〜13:00のお昼休みの時間帯は職員の方も休憩に入るため、繋がりにくくなることがあります。この時間は避けたほうが無難です。

衝撃の「待ち期間」

これを読んでいる皆様に一番お伝えしたいのが、「今、予約しようと思っても、申請できるのは1ヶ月先かもしれない」という事実です。

2025年現在、千葉県の申請予約枠は非常に混み合っており、約1ヶ月先まで埋まっていることが常態化しています。 さらに、申請が集中する年度末〜新年度(3月・4月)は、毎年予約が取りにくくなる傾向がありますので注意が必要です。


4. 申請から許可まで「3ヶ月」?審査期間の落とし穴

無事に予約が取れて、窓口で申請が受理されたとしても、すぐに許可証がもらえるわけではありません。ここにもう一つ、大きな「時間の罠」があります。

千葉県の産業廃棄物収集運搬業許可の標準処理期間(審査にかかる標準的な日数)は「60日」と定められています。

「60日なら、約2ヶ月で届くのか」

そう思われた方は要注意です。 この「60日」という数字は、土日・祝日・年末年始を含まない「行政庁の実働日数(開庁日)」でカウントされます。

実際のカレンダー期間は「2〜3ヶ月」

土日祝日を除いて60日をカウントすると、実際のカレンダー上では申請受付から約2ヶ月半〜3ヶ月かかる計算になります。

つまり、トータルのスケジュール感は以下のようになります。

  1. 予約待ち: 約1ヶ月
  2. 審査期間: 約2ヶ月〜3ヶ月
  3. 合計所要期間: 3ヶ月〜4ヶ月

「来週から現場に入りたいから、急いで許可を取りたい!」と思っても、制度上ほぼ不可能です。 「標準処理期間60日」という言葉に惑わされず、余裕を持って3ヶ月以上前から動き出すことが、事業計画を守るために何より重要です。

千葉県-産業廃棄物収集運搬業許可申請書預かり後の手続について


5. 審査は厳しい?担当者の雰囲気と二段階チェック

期間はかかりますが、審査の内容自体については過度に心配する必要はありません。 千葉県の対応は、他県と比べても丁寧で良心的です。

二段階の審査フロー

  1. 協会での受付(一次審査): 予約した日時に協会へ行き、書類を提出します。ここで担当者が書類の不足や記載ミスをチェックします。もし不備があっても、その場で修正を指示してくれたり、不足書類について教えてくれます。
  2. 県庁での本審査(二次審査): 協会のチェックを通った書類は、県庁の「環境生活部 廃棄物指導課」へ送られます。ここで内容の精査が行われます。もし追加で確認したい事項があれば、県の担当者から電話がかかってきます。

私の実務経験上、協会の方も県庁の方も、高圧的な態度を取ることはまずありません。 「落とすための審査」ではなく、「許可を出すための確認」をしてくれますので、指摘された事項には誠実に対応すれば大丈夫です。

【救済措置】講習会の修了証が間に合わない場合

申請には、産廃講習会の「修了証(写し)」が必須です。しかし、講習を受けたばかりで修了証が手元に届いていない場合もあります。

そんな時、千葉県では「誓約書」を提出することで、特例として申請を受け付けてもらえるケースがあります。 「修了証待ちで予約を1ヶ月遅らせる」必要はありません。こういった柔軟な運用も千葉県の魅力の一つです。


6. 【朗報】千葉県は「赤字」でも診断書不要!

ここからは、費用面で非常に大きなメリットとなるお話です。

産廃許可申請には「経理的基礎(財務要件)」という審査項目があります。 簡単に言えば、「会社にお金がないと、不法投棄をするリスクがあるから許可を出さないよ」というルールです。

具体的には、直近の決算書で「繰越利益剰余金がマイナス(債務超過や累積赤字)」になっている場合、多くの都道府県(東京都や埼玉県など)では厳しい対応を迫られます。

  • 他県の対応: 「中小企業診断士」等の国家資格者に依頼して、数万円〜十数万円の費用をかけて「経営診断書」を作成してもらう必要がある。
  • 千葉県の対応: 自社作成の「収支計画書」などでOK(専門家の診断書は原則不要)。

千葉県ならコストを抑えられる

千葉県の場合、赤字決算であっても、税理士や中小企業診断士の診断書までは求められません。 「今後どのように利益を出していくか」を説明する書類(収支計画書等)を自分で作成して添付すれば、基本的には受理されます。

「決算の見栄えが悪くて許可が取れるか不安…」「診断書のお金がもったいない…」 そう悩んでいる事業者様にとって、千葉県は申請がしやすく、コストパフォーマンスが良い自治体と言えます。


7. 駐車場(車庫)の契約書がない場合の「裏技」

運搬車両を置く駐車場の証明も、つまずきやすいポイントです。 申請者が土地の所有者でない場合、通常は「1年以上の期間がある賃貸借契約書」の添付が必要です。

しかし、親族の土地を借りていたり、昔からの付き合いで借りていたりして、「そもそも契約書を作っていない」というケースも多いでしょう。

その場合、千葉県では以下の書類で代用が可能です。

契約書の代わりになる書類(どちらか1つ)

  • 自動車保管場所証明書(車庫証明)の写し
  • 保管場所標章交付申請書の写し

これらは、車両登録の際に警察署で取得したものです。 わざわざ大家さんに頼み込んで契約書を巻き直さなくても、手元にある車庫証明のコピーで審査を通せる可能性があります。これも実務上の大きなテクニックです。

千葉県ー新規許可申請に係る提出書類一覧


8. 最後の罠!許可証受け取り時の「宛先」に注意

無事に審査が通り、許可が下りることになると、県庁から電話連絡が入ります。 新しい許可証は「郵送」で受け取ることができますが、ここで最後に最大の注意点があります。

それは、「返信用封筒(レターパック等)の送り先」です。

申請書類は「協会」に出しましたが、許可証を発行して送ってくれるのは「県庁」です。 そのため、許可証受け取りのために送る「申請書第1面のコピー」と「レターパック」の送付先は、協会ではなく、千葉県庁宛になります。

【許可証受取用セットの送付先】

〒260-8667 千葉市中央区市場町1-1 千葉県庁 環境生活部 廃棄物指導課 宛

これをうっかり協会に送ってしまうと、許可証が手元に届くのが大幅に遅れてしまいます。 最後の最後でミスをしないよう、送付先の住所は必ず電話口などで確認し、県庁宛てに送るようにしましょう。


まとめ:千葉県の申請は「時間管理」が命です

千葉県の産業廃棄物収集運搬業許可申請について、現場のリアルな実情をお伝えしました。

  1. 窓口は「協会」: 県庁に行っても受け付けてもらえない。
  2. 予約は「1ヶ月待ち」: 余裕を持って電話しないと間に合わない。
  3. 審査は「2〜3ヶ月」: 土日祝を含まないため、想像以上に時間がかかる。
  4. 受取は「県庁」: 最後の郵送先に注意。

特に重要なのは「スケジュールの確保」です。 書類作成にかかる時間だけでなく、「予約待ち+審査期間」でトータル3〜4ヶ月かかることを見込んでおかないと、事業計画に大きな狂いが生じてしまいます。

複雑な申請手続きは、プロにお任せください

「平日の昼間に、何度も協会に電話をして予約を取るのが面倒だ」 「書類を作っている時間がないので、丸投げして最短で許可を取りたい」 「自分の会社が赤字要件に引っかかるか、念のため確認してほしい」

そのようにお考えの事業者様は、ぜひ行政書士ライトアップ事務所にご相談ください。

当事務所では、千葉県の手続きに精通しており、予約の取得から書類の収集と作成、県への申請代行までをトータルでサポートいたします。 「自分の会社は許可が取れるの?」「いくらかかるの?」といった疑問にも、無料診断でお答えしています。

まずはお気軽にお問い合わせください。

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